進化論の国語テストキリンの首は、なぜ長い

A4・横向き/1枚目が問題、2枚目が答えです
進化論の基本データ
| テーマ | キリンの首はなぜ長いのか |
|---|---|
| 二つの説 | 用不用説(ラマルク)/自然選択説(ダーウィン) |
| ラマルク | 1744年〜1829年 フランスの学者 |
| ダーウィン | 1809年〜1882年 イギリスの学者 |
| 決着 | ダーウィンが正しかった |
キリンの首は、なぜあんなに長いのでしょうか。この問いに、二人の学者がまったくちがう答えを出しました。ラマルクとダーウィンです。ラマルクが答えを出したのは1809年、ちょうどダーウィンが生まれた年でした。ダーウィンが自分の答えを本にしたのは、その50年後。二人は会ったことがありません。このテストでは、二人の考えをキリンにしゃべってもらいました。
首をのばせば、その首が子に伝わる?
ラマルクは1809年、『動物哲学』という本でこう書きました。生き物は、よく使う部分が発達し、使わない部分はおとろえる。そしてその変化が、子に受けつがれていく——。
キリンでいえば、高いところの葉を食べようと首をのばし続けた。そののびた首が子に伝わり、代を重ねるうちに長くなった、という説明です。これを用不用説(ようふようせつ)といいます。
直感的で、わかりやすい考え方です。じっさい、腕は使えば太くなり、使わなければ細くなります。だからこそ、この説は長いあいだ信じられました。
ダーウィンの答えは、まったくちがった
50年後の1859年、ダーウィンは『種の起源』でまったくちがう答えを出します。親と子は、どこかしら形がちがう。キリンにも、生まれつき首の長いものと短いものがいた——。
低いところの葉は、みんなが食べるから先になくなります。残るのは高いところの葉だけ。そのとき口が届くのは、生まれつき首の長いキリンだけでした。食べられたキリンのほうが多く生き残り、その子も生まれつき首が長い。それが何万年も続いた、というのです。
ちがいは「努力したかどうか」ではなく、「生まれつきどうだったか」。ここが二人の説の分かれ目です。
どちらが正しかったのか
ラマルクの答えは、まちがっていました。きたえた体の変化は、子のもとになる部分までは届かないことが、あとからわかったからです。毎日走っても、その速さが子に伝わることはありません。
けれども、ラマルクには大きな意味がありました。それまで生き物は、生まれたときのままで変わらないと信じられていたのです。「生き物は変わる」。それを初めて言ったのが、ラマルクでした。
答えがまちがっていても、問いを立てた人がいなければ、その先には進めません。
進化論の年表
| 1744年 | ラマルク、フランスに生まれる |
|---|---|
| 1809年 | ラマルク『動物哲学』を出す。同じ年にダーウィンが生まれる |
| 1829年 | ラマルク、みとめられないまま亡くなる |
| 1831年 | ダーウィン、ビーグル号で世界をまわる旅に出る |
| 1859年 | ダーウィン『種の起源』を出す |
進化論のテスト(小学6年生用)
印刷せずに、この画面のまま読んで答えることもできます。 答えはいちばん下にあります。
読みもの
キリンのラマじいと、近所のダーくんが、キリンの首について話しています。少しのぞいてみましょう。
ラ=ラマじい ダ=ダーくん
ラ「ダーよ。お前、なんでそんなに首が長いんや」
ダ「それは生まれつきだよ」
ラ「ずるいわ。わしは毎日努力しとるのに」
ダ「努力して、長くなった?」
ラ「…………ちょっとは長なった気がする」
ラ「ええか。わしがこうして毎日のばしとったら、のびた首が子どもに伝わる。子から孫、孫からひ孫と続くうちに、うちの家系はみんな首が長くなるんや」
ダ「それはないよ。ぼくは生まれてきた時から長かったんだよ。のばしたからじゃないよ」
ダ「ラマじいがどれだけ首をのばしても、生まれてくる子はラマじいと同じ首の短いキリンだよ」
ラ「ほな、わしの努力はどこへ行くんや」
ダ「ラマじいの体には残るよ。でも子どもには残らないよ」
ラ「でも、毎日走ってるシマウマの子どもは、足が速く生まれるやろ?」
ダ「それは生まれつきだよ。親が走ったからじゃないよ」
ラ「高い木の葉を、鼻をのばして食べてるゾウの子どもは、鼻が長く生まれるやろ?」
ダ「それも生まれつきだよ」
ラ「…………ほな、なんのために今日もゾウは鼻をのばしとるんや」
ダ「今日の葉を食べるためだよ」
ダ「それにラマじい。首の長いキリンが増えたのは努力したからじゃないよ」
ダ「低い木の葉は、みんなが食べるから先に無くなったんだ。残ったのは高い木の葉だけだったんだ」
ダ「高い木の葉を食べられた首の長いキリンだけが生き残って、子どもを残したんだよ。その子も生まれつき首が長かったんだよ。それが何万年も続いたんだよ」
ダ「ラマじい。首をのばす努力をして、何年?」
ラ「三十年や」
ダ「…………ぼく、五才だよ」
この二つの考えを言ったのは人間の学者です。のばした首が伝わる説がラマルク、生まれつき説がダーウィンでした。
ラマルクの答えは、まちがっていました。きたえた結果は、子どもの元になる部分まで届かないからです。それまで生き物は、生まれた時のままで変わらないと信じられていました。「生き物は変わる」。それを初めて言ったのがラマルクだったのです。
えらぶ問題
チーターの足が速い理由を考えてみましょう。次のうちラマじいと同じ考え方はどれですか?選んで○をつけましょう。
- ①毎日走るうちに足が速くなり、その速さが子に伝わった
- ②生まれつき足の速いチーターが生き残り、子も速かった
- ③足の速いチーターが、おそいチーターに走り方を教えた
書く問題
あとの10個から言葉をえらんで( )に入れ、文章全体をまとめましょう。 【のばす ちぢめる 子 親 生まれつき ダーくん ラマじい ラマルク 変わる 変わらない】 キリンのラマじいは、毎日首を( ① )努力をしていました。そして、そののびた首が( ② )に伝わると考えました。けれども近所のダーくんは、( ③ )首の長いキリンだけが高い木の葉を食べることができて生き残り、その子も首が長かったと考えました。正しかったのは( ④ )の考えです。この二つの考えを言ったのは、( ⑤ )とダーウィンという人間の学者です。ラマルクの答えはまちがっていましたが、「生き物は( ⑥ )」と初めて言ったのはラマルクでした。
漢字の問題
漢字に直して書きましょう。
- ⑴うたがう
- ⑵みとめる
- ⑶こきゅう
答えを見る
えらぶ問題 ①
書く問題⑴①のばす ②子 ③生まれつき ④ダーくん ⑤ラマルク ⑥変わる
漢字⑴疑う ⑵認める ⑶呼吸
書く問題は、答えと言葉づかいがちがっても、 意味が合っていれば○にしてあげてください。
プリントの見本

A4サイズ・横向きで印刷してお使いください。
A4・横向き/1枚目が問題、2枚目が答えです
もっと知りたい 進化論のこと
ラマルクが本を出した年に、ダーウィンが生まれた
1809年。ラマルクが用不用説を世に出したその年に、のちにそれをくつがえすダーウィンが生まれています。二人は会ったことがありません。
ダーウィンはラマルクを読んでいた
『種の起源』の中で、ダーウィンはラマルクの名前を出しています。考えはちがっても、「生き物は変わる」という出発点は同じでした。
キリンの首の骨は、人間と同じ七つ
あんなに長いのに、首の骨の数は人間と変わりません。一つ一つが長くのびているのです。
👨👩👧 おうちの方へ
この回は、正しさよりも「問いの立て方」を読む回です。ラマルクはまちがえましたが、誰も考えなかったことを最初に言いました。答えが合っているかどうかだけで人を評価しない——そういう話として読んでいただけたらうれしいです。