上杉謙信の国語テスト敵に塩を送った「軍神」

A4・横向き/1枚目が問題、2枚目が答えです
戦国時代の武将は、土地がほしくて戦うのがふつうでした。ところが上杉謙信は、違います。「困っている人に頼まれたから」という理由で、何度も戦いに出た人でした。しかも、あれほど戦いながら、自分の土地はほとんど増やしていません。
お寺で育った少年
謙信は、越後の国(今の新潟県)の大名の家に生まれました。子どものころの名前は虎千代といいます。
四男坊だったため家をつぐ見こみがなく、七歳で林泉寺というお寺に預けられました。そこで謙信は、和尚から学問と仏の教えを学びます。この寺での日々が、謙信の人生を決めました。
とくに深く信じたのが、毘沙門天という戦いの神さまです。謙信は「自分は毘沙門天の生まれ変わりだ」と考えるほどでした。旗にかかげた「毘」の一文字は、この神さまの名前の頭文字です。
十九歳で兄に代わって家をつぐと、謙信はまたたく間に越後を一つにまとめました。戦のたびに勝ち続け、いつしか「軍神」と呼ばれるようになります。
自分のためには戦わない
謙信の戦いには、ふつうの武将と違うところがありました。攻め取った土地を、自分のものにしないのです。
関東の大名たちが北条氏に攻められて助けを求めれば、雪の峠を越えて関東へ出兵する。信濃の豪族が武田信玄に追われて頼ってくれば、信玄と戦う。そして戦いが終われば、越後へ帰っていく。
生涯で七十回以上戦い、負けたのは数えるほどといわれます。それだけ強いのに、領地はほとんど広がりませんでした。
謙信が大切にしたのは「義」——人として正しいかどうか、という考え方でした。頼まれたら助ける。約束は守る。だまし討ちはしない。戦国の世では珍しい生き方です。
敵に塩を送る
謙信の人柄をいちばんよく表すのが、この話です。
宿敵・武田信玄の領国である甲斐(今の山梨県)は、海のない土地でした。塩は、東の今川と北条から買っていたのです。ところがあるとき、その二家が示し合わせて塩を売るのをやめてしまいました。塩がなければ、人は生きていけません。武田の領民は苦しみました。
これを知った謙信は、越後から塩を送ります。相手は、川中島で五回も戦った敵です。とどめを刺す絶好の機会でした。
けれども謙信は、こう言ったと伝えられます。「われは弓矢をもって戦うのであり、米や塩をもって戦うのではない」。
ここから「敵に塩を送る」ということわざが生まれました。困っている相手が敵であっても、助けるという意味です。
信玄が亡くなったと聞いたとき、謙信は食事の箸を落とし、涙を流したと伝えられます。「よき敵を失った」と。その五年後、謙信も四十九歳で世を去りました。
上杉謙信の年表
| 1530年 | 越後の国(今の新潟県)に生まれる。幼名は虎千代 |
|---|---|
| 1536年ごろ | 七歳で林泉寺に預けられ、学問と仏の教えを学ぶ |
| 1548年 | 十九歳で上杉家をつぐ |
| 1553年〜1564年 | 川中島で武田信玄と五回戦う |
| 1567年ごろ | 塩に困った武田領へ塩を送ったと伝えられる |
| 1578年 | 四十九歳で亡くなる |
もっと知りたい 上杉謙信の豆知識
「越後の龍」
謙信は「越後の龍」、ライバルの武田信玄は「甲斐の虎」と呼ばれました。二人の戦いは「龍虎の争い」と語られます。
生涯結婚しなかった
謙信は一生結婚せず、子どももいませんでした。毘沙門天への信仰のためだといわれます。跡をついだのは、養子の景勝です。
お酒が大好きだった
謙信は馬の上でも酒を飲むほどの酒好きで、愛用した大きな盃が今も残っています。塩気の強いつまみを好んだことが、体に障ったともいわれます。
上杉謙信のテスト(小学1・2年生用)
印刷せずに、この画面のまま読んで答えることもできます。 答えはいちばん下にあります。
読みもの
はたにかかげるのは、「毘」の一文字。戦いのかみさま「毘沙門天」をしんじて戦い、「軍神」とおそれられたのが、越後の国(今の新潟県)の上杉謙信です。子どものころはお寺で学び、心をきたえました。
謙信は、武田信玄と川中島の戦いで五回も戦いました。二人は力が同じくらいで、なかなかしょうぶがつきませんでした。
あるとき、信玄の国でしおが手に入らなくなり、人びとがこまっていました。それを知った謙信は、てきなのに信玄へしおをおくってたすけました。この話は「てきにしおをおくる」ということばとして、今も語りつがれています。
正しいと思うことをつらぬく謙信の生き方は、多くの人にあいされています。
えらぶ問題
謙信は何とよばれていましたか?
- ①軍神
- ②大うつけ
- ③独眼竜
謙信がしおをおくったあいてはだれでしょうか?
- ①徳川家康
- ②武田信玄
- ③織田信長
書く問題
謙信が信玄と五回も戦った戦いは何でしょうか?
謙信は、子どものころ、どこで学びましたか?
漢字の問題
かん字に直して書きましょう。
- ⑴はな
- ⑵うみ
- ⑶あおぞら
答えを見る
えらぶ問題 ⑴①⑵②
書く問題⑴かわなかじまのたたかい ⑵おてら
漢字⑴花 ⑵海 ⑶青空
書く問題は、答えと言葉づかいがちがっても、 意味が合っていれば○にしてあげてください。
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「どうして敵に塩を送ったんだと思う?」——正解のない問いですが、子どもなりの答えに謙信の生き方への理解がにじみます。